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申請ノウハウ6分で読める公開: 2026-04-09 | 更新: 2026-04-14

加点項目は「1点で泣く」比較採点——時間がかかるものから逆算して取りに行く

加点項目1つあたりの配点は1〜5点と小さい。しかし採択は比較採点なので、その1点で泣く。それなりの企業はみんな取っている前提で、時間軸で逆算して全部取りに行く戦略を解説。

株式会社LAST SOLUTIONS 代表取締役 · 補助金 累計採択実績 20億円以上

この記事のポイント

加点項目1つあたりの配点は1〜5点と小さい。しかし採択は比較採点なので、その1点で泣く。それなりの企業はみんな取っている前提で、時間軸で逆算して全部取りに行く戦略を解説。

加点項目を「ボーナス」と思っているうちは落ちる

補助金の加点項目を、多くの事業者は「取れたらラッキー」程度に捉えています。これが落とし穴。

加点1項目あたりの配点は、現場感では100点中1〜5点程度と推測されます。数字だけ見ると小さい。「数点なら誤差では?」と感じる経営者も多い。

しかし、補助金の採択は比較採点です。同じ公募回に応募した数百〜数千社の中で、点数の上位X%が採択される。1点・2点の差で順位が10〜30位入れ替わるレンジに、毎回多くの事業者が密集している。だから、その1点で泣く。

そして決定的なのは、「それなりの規模・体制の企業はみんな加点を取りに来ている」という事実です。加点項目を取らないということは、最初からハンディキャップを背負って試合に出るのと同じ。

主要な加点項目と取得難易度

加点項目には「すぐ取れるもの」と「時間がかかるもの」があります。戦略の鉄則は、時間がかかるものから先に取りに行くこと

即取得できる(数日〜1週間)

  • パートナーシップ構築宣言: :中小企業庁ポータルで宣言するだけ。完全無料・5分で完了
  • GビズIDプライム: :申請から取得まで2〜3週間(補助金申請の前提条件でもある)

これらは「やらない理由がない」レベル。にもかかわらず、取得していない事業者が一定数いる——加点で1点失う前に、まずここを潰す。

短期で取得(1〜2ヶ月)

  • 事業継続力強化計画: (BCP認定):書式に従ってBCPを作成し、経産局に提出。比較的スムーズに認定される
  • 経営革新計画: (都道府県知事承認):事業計画を都道府県に提出して承認を受ける。中身次第で1〜3ヶ月

経営革新計画は多くの補助金で加点される万能カード。一度取れば数年使えるため、補助金活用を継続的にやる企業は早い段階で取得しておく価値が高い。

中長期で取得(3ヶ月〜1年)

  • くるみん認定: (子育てサポート企業):行動計画策定→実施→認定申請。最短でも数ヶ月
  • えるぼし認定: (女性活躍推進):採用・継続就業・労働時間等の5項目評価。半年〜1年
  • 健康経営優良法人: :申請時期が決まっており、年1回のサイクル

これらは加点項目に間に合わせるためだけに取るのは難しい。通年の人事戦略として取得を進め、補助金申請のタイミングで使える状態にするのが現実的。

制度依存(自動加点系)

  • 被災地域の事業者
  • 創業○年以内の事業者
  • 賃上げ表明企業(「賃上げ加点」枠など)
  • 特定業種・特定地域への加点

これらは事業者の属性で自動的に決まる。狙って取りに行くものではないが、自社が該当するなら申請書で必ずアピール。

賃上げ要件は「加点ではなく実質マスト」

加点項目の中で、賃上げだけは別格に扱う必要があります。

ほぼ全ての中小企業向け補助金で、給与支給総額の年率1.5%以上増加、または事業場内最低賃金+30〜50円以上が、加点ではなく応募の実質前提条件になっています。「賃上げ加点」と書かれていても、賃上げ表明をしていない申請書はそもそも上位に食い込めない。

ここで注意すべきは、「賃上げ表明だけして実行できなかった場合のペナルティ」です。多くの制度で、賃上げ未達時の補助金返還条項が組み込まれています。表明する前に原資設計を済ませ、確実に実行できる水準で出すこと。表明だけして後で取り下げると、信用リスクと返還リスクを同時に背負う。

加点項目の戦略——3段階アプローチ

加点項目の取得は、補助金申請の3ヶ月前に始めるのでは遅い。以下の3段階で考えるべきです。

段階1:常設インフラとして取得(半年〜1年前から)

  • 経営革新計画
  • 事業継続力強化計画
  • パートナーシップ構築宣言
  • GビズIDプライム
  • くるみん・えるぼし認定(人事戦略の一環として)

これらを「常設インフラ」として持っておけば、どの補助金にも応募できる加点装備の状態を維持できる。

段階2:申請時に上乗せ取得(申請3ヶ月前〜直前)

  • 賃上げ表明(原資設計済みであることが前提)
  • 健康経営優良法人(タイミングが合えば)
  • 公募要領で指定された個別の加点項目

段階3:申請書での見せ方(申請直前)

  • 取得済みの加点項目を漏れなく申請書に記載
  • 加点項目の証憑(認定書のコピー等)を漏れなく添付
  • 自社が該当する自動加点(業種・地域・規模)をアピール

段階1の常設インフラを持っているかどうかが、長期的に見て補助金活用の効率を最も大きく左右する。年に1回しか補助金を申請しない事業者は、常設インフラが薄いことが多く、その都度バタバタするため取り損ねが多い。

加点項目で失われた1点を取り返す方法はない

申請書本文の記述を1点上乗せするのは至難の業です。加点1項目は、申請書本文の3〜5ページ分の記述向上に匹敵する重みを持つことがある。

1ヶ月で取れる加点を取らずに、1ヶ月で書ける記述に時間を費やすのは、コスト配分として完全に間違っている。これが、補助金コンサルが申請の早い段階で必ず加点項目チェックを行う理由です。

加点項目を「全部取りに行く」のは、神経質な作業ではなく、極めて合理的なコスト戦略です。

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