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申請ノウハウ6分で読める公開: 2026-04-01

「AIで書きました」が一発でバレる申請書の特徴5選

ChatGPTで計画書を作って提出——増えています。でも審査員は見抜きます。AIで作った申請書にありがちな5つの特徴と、AIを「正しく」使う方法を解説。

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この記事のポイント

ChatGPTで計画書を作って提出——増えています。でも審査員は見抜きます。AIで作った申請書にありがちな5つの特徴と、AIを「正しく」使う方法を解説。

AIで書いた申請書、増えてます

2024年後半あたりから、明らかにAIで生成したと思われる申請書が激増しました。コンサルタントとして関わった案件でも、事業者が「まずChatGPTに書かせてみました」と持ってくるケースが当たり前になっています。

AI活用自体は悪いことではありません。問題は、AIの出力をそのまま提出してしまうことです。

特徴1:結論が抽象的

AIが書く文章は、一見それらしいのですが結論が曖昧です。

AI文: 「本設備の導入により、生産性の大幅な向上が期待され、競争力の強化につながるものと考えられます。」

人間文: 「本設備の導入により、不良率を現在の8.2%から2%以下に低下させ、年間廃棄コスト340万円を削減します。」

審査員が欲しいのは数字と根拠。「期待されます」「考えられます」は何も言っていないのと同じです。

特徴2:自社固有のエピソードがゼロ

AIは「一般的に正しいこと」を書くのが得意ですが、「この会社だけの話」は書けません。

  • 取引先の社名が出てこない
  • 過去に起きた具体的なトラブルの記述がない
  • 社長の個人的な経験や動機が書かれていない
  • 地域特有の事情への言及がない

審査員は「テンプレートの使い回し」を最も嫌います。 自社にしかないストーリーを入れるだけで、計画書の説得力は段違いに変わります。

特徴3:業界用語が微妙にズレている

AIは一般的な用語は正確ですが、特定業界の現場用語を微妙に間違えます。製造業なら「マシニングセンタ」と書くべきところを「CNC加工機」と書いたり、飲食業の「FL比率」を正しく扱えなかったり。

審査員は業界知識を持っています。用語のズレは「この人、現場を知らないな」という印象を与えます。

特徴4:競合分析が教科書的

AIに「競合分析を書いて」と頼むと、非常にきれいなSWOT分析が出てきます。でもきれいすぎるのが問題。

現実の競合分析は:

  • 「A社は当社より価格が20%安いが、短納期対応ができない」
  • 「B社のシェアは地域内で40%だが、後継者問題で縮小傾向」

こういう泥臭い情報こそ、審査員に響きます。

特徴5:事業者に熱がない

これは申請書の文面だけでなく、全体から滲み出る問題です。AIが書いた申請書は、どうしても当事者感が薄い

「なぜこの事業をやりたいのか」「なぜこのタイミングなのか」「失敗したらどうするのか」——こういう問いに対する、経営者自身の言葉が入っていない申請書は、採択されにくい。

特徴の裏にある構造的な問題

なぜAIが書いた申請書はバレるのか。根本的な理由は「補助金の審査は"この会社がやる必然性"を見ている」からだ。

AIは「一般的に正しい事業計画」は書ける。しかし「株式会社○○が、この地域で、この業界で、このタイミングで、この投資をやる理由」は書けない。審査員はまさにそこを見ている。

実際にあった「AI申請バレ」のパターン

パターン1: 3社の申請書が酷似

同じコンサルが担当した3社の申請書が、文体・構成・表現がほぼ同一だった。AIに同じプロンプトで3社分を生成させたと思われる。審査の現場では同じ審査員が複数社を見ることがあるため、並べた瞬間にバレる

パターン2: 存在しない統計データの引用

AIが生成した「○○業界の市場規模は△△兆円(○○省調べ)」が、実際には存在しない統計だった。AIのハルシネーション(幻覚)がそのまま申請書に混入したケース。虚偽記載として不採択

パターン3: 自社の決算書と矛盾

AIに「売上高を前年比150%にする計画を書いて」と指示した結果、添付の決算書と整合しない売上計画が出来上がった。審査員は決算書と申請書を突き合わせるため、数字の不整合は一発アウト

AIの「正しい」使い方——プロのコンサルはこう使っている

AIを使うなとは言わない。プロのコンサルもAIを使っている。ただし使い方が全く違う。

ステップ1: 構成の設計(AIが得意)

審査項目に沿った目次・構成案をAIに作らせる。「ものづくり補助金の審査項目に沿った事業計画書の構成案を作って」——これは有効。骨格を作る段階ではAIは優秀。

ステップ2: 自社固有の情報を人間が埋める(AIにはできない)

  • 自社の売上推移、利益率、課題の具体的な数字
  • 取引先との関係性、業界内でのポジション
  • 社長が「なぜこの事業をやりたいか」のストーリー
  • 地域特有の市場環境

この部分は絶対に人間が書く。 AIに書かせた瞬間に「当事者感」が消える。

ステップ3: 数字のチェック(AIが得意)

付加価値額の計算、投資回収シミュレーション、売上計画の整合性——計算ロジックの検証はAIが得意。「この計画書の数字に矛盾がないかチェックして」と頼むのは良い使い方。

ステップ4: 文章の推敲(AIが得意)

書いた文章を「もっと分かりやすく」「冗長な部分を削って」とAIにレビューさせる。ただしAIの修正提案をそのまま受け入れるのではなく、自社の言葉遣い・トーンに合うか人間が判断する

まとめ: AIは「著者」ではなく「編集者」として使う

工程AIの役割人間の役割
構成設計骨格を作る審査項目との整合を確認
本文執筆使わない自社の言葉で書く
数字チェック計算検証元データの正確性を保証
推敲読みやすさの改善提案最終判断は人間

AIは優秀な「編集者」であって、「著者」にしてはいけない。 審査員は、著者が誰かを見抜く。

そして何より——AIが書いた計画書で採択されたとしても、その計画を実行するのは人間だ。自分が書いていない計画書の内容を、自分で実行できるだろうか。計画書を書く工程は、事業戦略を自分の頭で整理する工程でもある。

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