審査員は1日に何十件も読んでいる
補助金の審査員は、1件の申請書を15-20分で評価する。数百件の申請を数名で分担するので、1人あたり1日30-50件を読むこともある。
つまり最初の1ページで「読む価値がある」と思わせなければ、残りのページは流し読みされて終わり。
3秒で閉じられる計画書の特徴
特徴1:冒頭が「弊社は○○年に創業し…」
会社概要から始まる計画書は致命的。審査員は会社の歴史に興味がない。知りたいのは「何を、なぜ、どうやってやるのか」。
冒頭に書くべきは:
「当社の生産ラインは稼働率85%が限界であり、年間4,000万円の機会損失が発生している。本事業でAI画像検査を導入し、不良率を5%→0.5%に削減、稼働率95%を実現する」
数字から始める。これだけで審査員は「お、具体的だな」と読み進める。
特徴2:「AIを活用します」「DXを推進します」で中身がない
流行りのキーワードを並べただけの計画書。審査員は毎回これを何十件も読まされている。うんざりしている。
AIは手段であり目的ではない。審査員が知りたいのは:
- 具体的にどの工程にどんなAIを入れるのか
- なぜAIでなければダメなのか(人手ではなぜダメか)
- 導入後の定量効果はいくらか
特徴3:数字が一切ない
「大幅にコスト削減」「飛躍的に生産性向上」「画期的な新サービス」——こうした形容詞だらけの計画書は、審査員に「何も考えていない」と判断される。
通る計画書は例外なく数字で語る:
- 削減額:年間○○万円
- 改善率:○%→○%
- 投資回収:○年
通る計画書の3つのポイント
ポイント1:革新性=「自社がやる理由」
「新しいことをやります」ではなく、「自社の○○という強みがあるから、この事業ができる」。
審査員は「この会社がやる必然性」を探している。誰でもできることに補助金は出ない。
ポイント2:実現可能性=「本当にできる証拠」
- 月単位のスケジュール
- 担当者名と役割分担
- 設備のカタログ・見積書
- 過去の類似実績
「やりたい」と「できる」は違う。審査員は後者の証拠を求めている。
ポイント3:加点項目を全部取りに行く
ほとんどの補助金には加点項目がある:
- 賃上げ加点(従業員の給与を上げる計画)
- デジタル化加点(DXに取り組む計画)
- パートナーシップ加点(大学・研究機関との連携)
- 事業継続力強化加点(BCP策定)
加点項目を無視して申請する事業者が驚くほど多い。公募要領を隅々まで読めば書いてあるのに。
まとめ:計画書は「読み物」として面白いかどうか
補助金の計画書は公文書ではない。審査員という「読者」に向けたビジネス文書だ。
読んで面白い計画書は通る。退屈な計画書は落ちる。シンプルだが、ここに行き着く。
「書き方が分からない」なら、プロに相談して一緒に書くのが最短ルート。計画書は「書く作業」ではなく「事業を設計する作業」。プロと一緒にやれば、補助金の採否に関係なく、事業計画そのものが良くなる。