食品輸出の「最初の関門」を越える補助金
食品輸出で中小企業が最初につまずくのが、HACCP・ISO22000などの認証取得コスト。施設改修・認証取得・運用体制整備で数百万〜数千万円の初期投資がかかり、輸出事業化前に断念するケースが多い。
島根県のこの補助金は、この関門を1/2・上限2,000万円で突破できる設計になっている。
制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 食品輸出展開支援事業補助金 |
| 実施主体 | 島根県しまねブランド推進課 |
| 対象事業者 | 県内食品産業企業(HACCP等認定取得、ISO22000等認証取得、施設・設備整備に取り組む事業者) |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 上限額 | 20,000千円(2,000万円) |
| 下限額 | 1,000千円(100万円) |
| 対象経費 | 輸出先国の政府等が求めるHACCP等要件適合の施設認定、ISO22000等認証取得、海外バイヤー等が求める品質・生産力向上に必要な施設・設備整備 |
| 公募締切 | 4段階:令和8年5月29日/6月30日/8月31日/9月30日 |
| 特徴 | 各回で審査会実施/予算上限到達で受付終了/採択数と予算状況により減額の可能性 |
4段階締切の戦略的な使い方
この制度、4回の審査会があるのが大きな特徴。以下のような使い分けができる:
1. 第1回(5月29日):準備が整った会社
既に事業計画・見積書等が揃っている会社は、第1回が最も採択率が高い可能性がある(予算が多く残っている)。
2. 第2〜3回(6月30日、8月31日):計画準備中の会社
GW明けから夏までじっくり準備できる。HACCP施設改修の具体的見積を複数取るには時間が必要。
3. 第4回(9月30日):予算残存状況次第
予算枠が残っていれば通るが、人気が出れば第3回までで予算消化されるリスクがある。
HACCPとISO22000の違い(簡単に)
対象経費に両方が挙がっているが、違いは:
- HACCP(ハサップ): :食品衛生の国際基準。日本では法的に義務化されている(一般衛生管理との組み合わせ)
- ISO22000: :食品安全マネジメントシステムの国際規格。HACCPをベースに、より広範な管理を含む
輸出先国の要件によって、どちらを取得すべきかが変わる:
- EU・北米向け:HACCP、BRC、IFS等が求められる
- アジア圏・中東:ISO22000、HACCPが一般的
島根県内の食品企業で、まず何を取得するかを決める段階でも、県の担当課やJETROに相談すると方針が定まる。
現場の本音:2,000万円は施設改修も含めて使える
対象経費に「施設・設備整備」が明記されている点が重要。認証取得の書類作成だけでなく、HACCP対応の工場改修費も含められる。
例:
- ゾーニング(清潔エリア・汚染エリアの分離)工事
- 温度管理設備(冷蔵・冷凍設備)の導入
- 防虫防鼠設備
- 手洗い・消毒設備の拡充
これらを総合すると、2,000万円枠を満額使うプロジェクトは現実的に組める。
こんな会社に向いている
- 島根県内で食品製造・加工を行う企業
- 海外市場(特にアジア圏・EU)への輸出を本気で考えている
- HACCP・ISO22000等の認証取得を検討している
- 既存工場の改修・新設を計画している
- 海外バイヤーとの商談実績がある(または近い将来の予定)
※本記事の情報は2026年4月23日時点の公開情報に基づきます。最新の公募要領は必ず[島根県公式ページ](https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/enterprise/shien/kaigai/syokuhinnyusyutu.html)でご確認ください。