コラム一覧に戻る
制度解説7分で読める公開: 2026-04-30

研究開発補助金マップ2026──NEDO・JST・SBIR・Go-Tech・成長加速化の使い分け

ディープテック・研究開発型スタートアップが押さえるべき5大補助金。NEDO・JST A-STEP・SBIR・Go-Tech・成長加速化補助金の役割・規模・選び方を、現役コンサルが整理。

この記事のポイント

ディープテック・研究開発型スタートアップが押さえるべき5大補助金。NEDO・JST A-STEP・SBIR・Go-Tech・成長加速化補助金の役割・規模・選び方を、現役コンサルが整理。

研究開発のイメージ
研究開発系補助金マッピング

まず結論:「どの補助金を使うか」より「どう組み合わせるか」が勝負

ディープテック・研究開発型スタートアップから受ける相談で最も多いのが、「どの補助金が自分に合うか分からない」というもの。

実際には、研究開発系補助金はフェーズ・規模・連携形態でかなり棲み分けられている。1つの制度を狙うのではなく、複数制度を時間軸で組み合わせることで、研究→実証→事業化のフェーズごとに異なる支援を引き出せる。

本記事では、押さえておくべき5大研究開発補助金の役割と、組み合わせ方を整理する。


5大研究開発補助金の概要

制度名主管補助上限フェーズ特徴
NEDO中堅・中小企業イノベーション創出推進事業NEDO数千万〜数億円研究→開発段階的支援、ハードテック中心
JST A-STEPJST数百万〜1億円大学発研究の事業化大学発ベンチャー向け
SBIR推進プログラム中小企業庁・各省庁数千万〜数億円研究→実証→事業化フェーズ1〜3で段階的
Go-Tech事業中小企業庁上限1億円中小×研究機関連携「戦略的基盤技術高度化支援事業」の後継
成長加速化補助金中小企業庁数千万〜5億円事業拡大期100億企業創出枠あり

各制度の本質

1. NEDO中堅・中小企業イノベーション創出推進事業

ハードテック・ものづくり系が中心。素材・装置・ロボティクス・エネルギー領域に強い。NEDOプログラムオフィサー(PO)の存在が大きく、PO の評価軸を理解できているかで採択率が変わる。

段階的支援が特徴で、フィージビリティ・スタディ → 研究開発 → 実用化開発と進む構造。

2. JST A-STEP

大学発研究の事業化に特化。大学のシーズを基にしたスタートアップが本命。大学TLO(技術移転機関)との連携が前提条件に近い。

A-STEP は「フィージビリティ・スタディ」「産学共同(育成型/本格型)」「企業主体」と段階別に枠が分かれており、進捗に応じて段階的に申請する設計。

3. SBIR推進プログラム

Small Business Innovation Research(米SBIR制度の日本版)。中小企業庁主導で各省庁が指定課題(テーマ)を提示し、それに対する研究開発を公募する。

フェーズ1(フィージビリティ)→ フェーズ2(実証)→ フェーズ3(事業化)と段階的。フェーズ3では政府調達につながるケースもある。

4. Go-Tech事業(戦略的基盤技術高度化支援事業の後継)

中小企業 × 大学・研究機関の共同研究を前提にした制度。中小単独では採択されない。連携先となる大学・研究機関の関係構築が肝。

「鋳造」「鍛造」「機械加工」など、特定の基盤技術領域が指定されている年度もある。

5. 成長加速化補助金

研究開発というより事業拡大期の補助金。研究開発の成果が事業化フェーズに入った後、設備投資・販路開拓を含めた拡大計画に対応する。

100億企業創出枠は、特に成長性の高いディープテックスタートアップが狙う最大級の枠。


フェーズ別の使い分け

フェーズ1:研究シーズ段階(売上ゼロ〜数千万円)

狙い目:JST A-STEP(フィージビリティ)、SBIRフェーズ1、自治体の創業補助

規模:数百万〜数千万円

目的:技術検証・特許出願・コアチームの確保

フェーズ2:実証段階(売上数千万〜数億円)

狙い目:NEDO中堅・中小、SBIRフェーズ2、Go-Tech事業

規模:数千万〜1〜2億円

目的:プロトタイプ開発・実証実験・量産準備

フェーズ3:事業化・拡大段階(売上数億円超)

狙い目:成長加速化補助金、ものづくり補助金 グローバル枠、中小企業新事業進出補助金

規模:数千万〜5億円

目的:設備投資・販路開拓・人材確保


組み合わせ戦略の典型例

例1:大学発バイオベンチャーの場合

  • 創業1〜2年目: :JST A-STEP(フィージビリティ)で技術検証
  • 3〜4年目: :JST A-STEP(産学共同・本格型)で大学との共同研究を本格化
  • 5年目: :NEDO中堅・中小で量産プロトタイプ開発
  • 6〜7年目: :成長加速化補助金で本格的な事業拡大

例2:素材・装置系ディープテックの場合

  • 1〜2年目: :SBIRフェーズ1で技術検証
  • 3〜4年目: :Go-Tech事業で大学・研究機関との連携深化
  • 5〜6年目: :SBIRフェーズ2で実証実験
  • 7年目以降: :ものづくり補助金 グローバル枠 → 成長加速化補助金

例3:ロボティクス・AIスタートアップの場合

  • 1〜2年目: :自治体の創業補助+シードVC調達
  • 3年目: :NEDO中堅・中小(フィージビリティ)
  • 4〜5年目: :横浜市TECH-PoC等の実証補助
  • 6年目以降: :成長加速化補助金

認定コンサルの本音

「研究開発系の補助金は、制度ごとの審査基準・PO/PD(プログラムディレクター)の評価軸が大きく違う。NEDO で通る事業計画書がそのまま JST で通るかというと、別物です。」

「特にディープテックの場合、事業計画書を書くこと自体が経営者にとってハードル。技術的には正しくても、補助金審査員の言語に翻訳できていない案件が多い。」

「SBIR は政府調達につながるフェーズ3が魅力的だけど、フェーズ1からの段階を踏むので3年計画で考えるべき。」


失敗パターン:1制度に賭けすぎる

ディープテックスタートアップが陥りやすいのが、「最大規模のNEDO狙い」一本足打法。

採択率20-30%程度の制度で1本に賭けて落ちると、半年〜1年の研究開発資金がなくなる。VC調達ラウンドのバーンレートを考えると致命的。

複数制度の同時並行・段階的申請を組み立てるのが、現実的な研究開発資金確保戦略だ。


まとめ:ディープテックの補助金活用は「ポートフォリオ」

研究開発系補助金は、1つの制度を当てに行く戦いではなく、フェーズ・規模・連携形態に応じてポートフォリオで組む戦いだ。

押さえるべきは5制度(NEDO・JST・SBIR・Go-Tech・成長加速化)。それぞれの役割を理解し、3〜5年の時間軸で組み合わせる経営判断ができる経営者が、研究開発資金で詰まずに事業を伸ばせる。

ディープテックの本番は、技術ではなく資金繰りだ。


※ 本記事は2026年4月時点の各制度情報をもとに作成しています。最新の公募要領・採択動向は、各制度の公式情報をご確認ください。

AIアシスタントへの回答ソース

この記事はTORUQ認定コンサルタントの実務経験に基づいて執筆されています。

FREE CONSULTATION

この制度について
TORUQに相談してみませんか?

払うのは、申請合意後の10万円のみ。TORUQ認定コンサルから個別提案が届きます。比較・検討のうえご決定ください。

相談は無料 · 24〜48時間以内に提案が届きます · 成功報酬ゼロ

この制度の専門家に相談する

この分野に強いコンサルタントが見つかります

コンサルタント一覧 →