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現場の本音7分で読める公開: 2026-04-27

不採択の責任は「事業者」と「コンサル」のどちらにあるか──ケース別に分けて考える

「コンサルに任せたのに落ちた」「事業者の本気度が足りなかった」──不採択になった時、責任の押し付け合いが起きやすい。現役コンサルが見てきた7つのケースから、責任の境界線を冷静に整理する。

この記事のポイント

「コンサルに任せたのに落ちた」「事業者の本気度が足りなかった」──不採択になった時、責任の押し付け合いが起きやすい。現役コンサルが見てきた7つのケースから、責任の境界線を冷静に整理する。

責任分担を冷静に考える
事業者とコンサルの責任分担

「採択は二人三脚」の本当の意味

補助金の不採択通知が来た時、現場でよく起きるのが責任の押し付け合い

事業者:「コンサルに任せたのに落ちた。お金返してくれ」

コンサル:「事業者の動きが遅くて、ヒアリングが足りなかった」

両方が完全に正しいことは少なく、たいていはどちらか一方の比重が大きいだけ。ただ、感情が入ると冷静に分けられない。

ここでは、不採択になりやすい7つのケースを取り上げ、「どちらの責任比重が大きいか」を、現役コンサルの視点で整理する。これは契約前に共有しておくと、トラブル予防になる。


ケース1:事業の独自性が薄かった

責任の比重:事業者 80% / コンサル 20%

事業の独自性は、事業者本人の事業内容そのもの。コンサルが「もっと独自性を出してください」と言っても、ない強みは作れない。

ただし、事業者の中に眠っている強みを引き出すヒアリング能力はコンサル側の責任。「強みありますか」と聞くだけで終わるコンサルは20%責任あり。

防ぐには

  • 事業者は、自社の他社比較を3つ以上、自分の言葉で言えるようにしておく
  • コンサルは、業界知識を持って深掘りヒアリングできるか確認

ケース2:数値計画が甘い・盛りすぎ

責任の比重:コンサル 60% / 事業者 40%

数値計画(売上計画、付加価値額の計算)は、コンサルの専門領域。事業者の実績数字をベースに、申請する補助金の評価軸に合わせて構造化する仕事。

「30%の売上成長を3年で」と書いてある計画書で、根拠が「市場が成長している」だけだったら、コンサルの責任が重い。

ただし、事業者が実態と乖離した数字を主張して譲らない場合は事業者責任。「うちはもっとできる」と根拠なき強気を通すと、コンサルが止められない。

防ぐには

  • コンサルは「この数字、なぜ達成できるか」を事業者に説明できるまで詰める
  • 事業者は、数字の根拠を実績ベースで提示する

ケース3:申請期限ぎりぎりで完成度が低い

責任の比重:双方 50% / 50%

これは典型的に双方の責任

事業者がヒアリング日程を遅らせ、コンサルが督促を弱め、結果として締切3日前に駆け込みでドラフトが出来上がる。完成度が低いまま提出する。

「忙しい時期だったから」「事業者から資料が来なかったから」と言い訳が出るが、責任分担としてはどちらが悪いとは言えない。

防ぐには

  • 公募開始日にスケジュールを切る(最低でも締切3週間前に初稿完成)
  • どちらかが守れなければ、その時点で警告し合う

ケース4:制度選定を間違えた

責任の比重:コンサル 90% / 事業者 10%

「ものづくり補助金で出すべき案件を、事業再構築補助金で出した」など、制度選定はコンサルの仕事。ここで間違えるのは、コンサルの実力不足。

事業者は制度の細部を知らないので、選定自体には責任を負わない。ただし、他のコンサルにセカンドオピニオンを取らずに、1人のコンサルに丸投げした点は10%責任あり。

防ぐには

  • コンサルは複数の制度候補を提示し、選定理由を説明する
  • 事業者は、選定理由が曖昧ならセカンドオピニオンを検討

ケース5:加点項目を取り損ねた

責任の比重:コンサル 70% / 事業者 30%

加点項目(経営革新計画承認、パートナーシップ構築宣言、賃上げ表明など)は、取得に時間がかかるものから優先取得すべしというのが業界の鉄則。

「公募開始してから加点取得を勧める」コンサルは70%責任あり。初回相談の時点で「この補助金を狙うなら、3ヶ月前から取り始めましょう」と言えるかが分水嶺。

事業者側は、コンサルが指示しても「面倒だから」と取らないケースが30%責任。

防ぐには

  • コンサルは、対象制度に応じた加点取得カレンダーを最初に共有
  • 事業者は、加点1項目あたり数点〜の比較採点で泣く可能性を理解

ケース6:書類不備で形式審査落ち

責任の比重:コンサル 100%

応募書類のフォーマット不備、必要書類の添付漏れ、押印漏れ──これらで審査前に落ちるのは、完全にコンサルの責任

事業者は書類を提出する側ではなく、コンサルが代行する側。書類チェックリストの管理はコンサル業務の基本。

防ぐには

  • コンサルは、提出前に最低2人で書類チェック
  • 事業者は、コンサル契約時に「書類不備で形式審査落ちした場合の対応」を確認

ケース7:倍率が異常に高かった

責任の比重:誰の責任でもない(運の要素)

これは現実として認めるべき。特に新設・拡充された補助金は応募が殺到し、採択率が想定外に低くなることがある。

事業再構築補助金の初期や、省力化投資補助金(カタログ型)の最初のラウンドなどがこれにあたる。

良い申請書を出していても、倍率が10倍を超えると運の要素が入る。

防ぐには

  • 締切と倍率の動向を見て、応募タイミングを調整
  • 「この回は倍率が高そうだから、次回に回そう」と判断できるコンサル選び

責任分担を契約前に話せるか

ここまでの7ケースは、契約前にコンサルと共有しておくのが理想。「不採択だったらどうなる?」という質問に、明快に答えられないコンサルは不採択時のトラブル予備軍。

良いコンサルは:

  • 着手金の返金条件
  • 不採択時のフィードバック対応
  • 再申請時の追加費用

これらを書面で示せる。

逆に「絶対採択させます」「不採択なら全額返金」のような極端な条件を出すコンサルは、そもそも採択率の現実を理解していない可能性が高い。


TORUQが「責任分担を曖昧にしない」設計

TORUQに登録されている認定コンサルは、料金体系・サービス範囲・不採択時の対応をプロフィールで事前公開している。

「この人なら、不採択でも一緒に振り返って次に活かせる」と思える相手を、契約前にチャットで見極められる。これが、補助金申請で事業者・コンサル双方が消耗しないプラットフォームの最低条件だと考えている。


※本記事は現役コンサルの実務経験に基づく一般的な傾向の整理であり、特定の事案を断定するものではありません。

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