「連携体」が壁で、同時にチャンスの制度
栃木県が令和8年度の「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル構築支援事業補助金」の公募を開始。上限750万円という地方補助金としては厚い金額だが、県内中小企業を含む連携体の代表企業が対象という条件がついている。
連携体を組める会社にとっては大きなチャンス、組めない会社には絵に描いた餅。この制度の構造を整理する。
制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル構築支援事業補助金 |
| 実施主体 | 栃木県環境森林部資源循環推進課 |
| 対象事業者 | 県内に事業所を有する中小企業(連携体の代表企業)で、「サーキュラーエコノミーのリーディングモデルとして県と協力して取組及び製品等を発信する者」 |
| 補助率 | 記載なし |
| 上限額 | 最大750万円 |
| 対象経費 | 補助事業計画書に金額根拠書類(見積書等)の添付が必須 |
| 公募締切 | 令和8年5月27日(水) |
| 特徴 | 補助事業完了後3年以内の県内事業化を目指すもの/補助金は事業終了後の支払い |
条件の裏にある政策意図
「サーキュラーエコノミー」「連携体」「県内事業化3年以内」「県と協力」という条件の並びから、この制度の政策意図が見える:
単発の環境配慮型事業ではなく、栃木県を拠点とする循環経済モデルを複数社で作り、県の広報素材にもできる先進事例を生み出したい——というもの。
つまり、ただ環境に優しい商品を作るだけでは通らない。複数社の連携と栃木県内で継続事業化、そして県がPRに使えるストーリー性の3つが揃って初めて採択圏に入る。
現場の本音:連携体ができる会社は限定的
この制度、最大の壁は「連携体の組み方」だ。
- 以前から共同開発経験のある会社群: なら問題なく申請できる
- 今から連携パートナーを探す会社: には、5月27日まで1ヶ月強という時間的余裕はない
- 大学・研究機関を含めた産学連携: だとストーリーが作りやすい(栃木だと宇都宮大学等)
2026年度の応募は見送り、2027年度に向けて今から連携体を構築するのも一つの戦略。
750万円で何ができるか
750万円という金額を現実的に見ると:
- 廃材・副産物の再利用ライン構築: :設備投資300万〜500万円、運用実証200万〜250万円
- リユース・リサイクルプラットフォームのシステム開発: :開発費500万〜750万円
- アップサイクル製品の試作・販路開拓: :試作150万〜250万円+展示会100万〜300万円+マーケ50万〜150万円
単独企業には届かないが、複数社の連携なら、それぞれの強みを組み合わせて1プロジェクトとして提案できる規模感。
こんな会社が狙うべき
- 既に連携体を形成している県内中小企業
- サーキュラーエコノミー領域で具体的な実証事業のアイデアがある
- 3年以内に事業化する覚悟とロードマップがある
- 県との協力(広報協力等)にオープンな姿勢
※本記事の情報は2026年4月23日時点の公開情報に基づきます。最新の公募要領は必ず[栃木県公式ページ](https://www.pref.tochigi.lg.jp/d05/circuler_business.html)でご確認ください。